メディア情報処理は非常に広範な技術領域を含んでいます。研究内容をイメージしやすいように、過去の卒業論文、修士論文に関する情報の一部を下に展開します。

 

平成28年度

          修士論文

                   マルウェアの分類に関する研究(留学生、英語)

DNN(Deep Neural Network)を利用した高精度マルウェア分類に関する研究です。研究内容の一部を国際会議で発表(予定)

                   PDFファイルのセキュリティに関する研究(留学生、英語)

PDFファイルの改ざんの実現方法を検討しました。

          卒業論文

文字メディアの高付加価値化に関する研究 〜個性を持った文字フォント〜

コンピュータフォントに人間味を持たせるために、基礎的な研究を行いました。

調理音イベント識別に関する研究

DNNDeep Neural Network)を用いて調理音イベントの識別を試みました。

MIDIデータを用いた楽器演奏評価に関する研究

カラオケの採点システムのように楽器演奏に対して採点するシステムの構築を目指しました。その第一歩として、電子ピアノのMIDIデータを利用して採点を試みました。

平成27年度

          卒業論文

DNN を利用したステガナリシスの検討

畳込みニューラルネットワーク(Convolution Neural NetworkCNN)をステガナリシスへ応用してみました。

 

                   DNN を利用した音声信号の超解像化の検討

DNN(Deep Neural Network)を音声の超解像化に応用してみました。

 

平成26年度

          卒業論文

                   調理者サポーターアプリ「お料理彼氏」の提案

近年,孤独に過ごす人が多々おり,行動を励ますスマートフォン等のアプリケーションが注目され ている.一人暮らしの若い女性にとってみれば,調理行動も孤独な作業である.料理の経験が浅い調 理者は,レシピ本を参照しながら調理を行うこともあり,そのような場合,直接手でページをめくる と衛生的な問題も発生する.そこで本研究では,一人暮らしの若い女性を対象として,調理者を励ましたり,調理ナビゲーションを行う調理者サポーターアプリ(お料理彼氏と呼ぶ)を提案する.この アプリを使用することにより,調理者は温かい言葉で励まされ,さらに,調理手順についても優しく

指示を受けることができる.

研究会で発表

 

音声コミュニケーションツール 「モテ声ボイスチェンジャー」の提案

近年のICT サービスの進化に伴い,動画や音声情報を伴ったSNS のユーザが急速に拡大してい る.匿名性を保ったまま新たなコミュニケーションの場を開拓したいというユーザも多く,その中 には「ネットの中の自分を現実世界の自分よりも良く見せたい」と考える者も少なくない.本研究 では,この欲求をかなえる音声コミュニケーションツール(モテ声ボイスチェンジャーと呼ぶ)を 提案する.つまり,肉声を加工することにより,よりよい自分を表現する. 

研究会で発表、優秀ポスター賞受賞

 

平成25年度

          卒業論文

                   QR コードに対するWet Paper 符号を利用した改ざん検出の実装

本研究では,QR コードに対する改ざん検出を提案する.具体的には, ディジタル署名を利用した改ざん検出をQR コード上に実現する.暗号化された署名情報を Wet Paper 符号を利用してQR コードに埋め込むことにより,QR コード単体で改ざん検出可 能となる.卒論では,QR コードへの情報重畳の実現に向けて必要となる項目,QR コード の撮影画像から正確な二値(0,1)データの抽出とQR コードへのメッセージ埋め込みの方法の

実験と考察を行った.

研究内容の一部を研究会/国際会議で発表

 

                   ゲーム性を備えた色学習アプリの開発

近年,スマートフォンやタブレットといった小型情報端末の多機能化,高性能化が進み,同時 に普及率も上昇を続けている.そのような情報端末を教育に利用する試みが,学校教育や通信教 育の場において行われ,幼児の知育という分野においても多くの種類のスマートフォンアプリが 存在している.また,ゲーム性を教育に取り入れることによってその効果を高めようという動き も存在しており,裁判員制度の学習や,高等学校の歴史の授業などにゲームを用いてその効果を 調査するというような実験が実際に行われている.これらのことからこの先,ゲーム性を備えた 学習用アプリというのは増加していくものであると考え,本研究では,そのような分野の研究の 第一歩として,現実の対象を撮影することを用いた,ゲーム性を備えた色学習アプリを提案する. 現在も複数の色学習アプリが存在しているが,現実の対象の撮影を行い,かつゲーム性を備えた ようなものは存在していなかった.提案手法では,現実の画像を使うことにより,その物が何色 のものであるか,という学習の助けとなり,ゲーム性によってその効果を高めることを狙う.

 

拡張現実感を利用した建物内ナビゲーションシステムの開発

現在スマートフォン・タブレット向けのアプリケーションは非常に多くの種類が開発されてい るその中で道案内を行う機能を持つナビゲーションアプリがあるがこれらのアプリの殆どは GPS を利用してナビゲーションを行う屋外用で施設内を案内するようなナビゲーションアプリ は皆無に等しいその理由としては, 2 階以上の建物ではGPS が使えないことその施設ごとにしかアプリが使えないことなどが挙げられるしかし施設内で目的地までの道のりを失念してしまった場合や学校などの階ごとの構造が似ている施設などは迷うことも多くその場合施設の係員 に再度道を尋ねるか施設随所に配置された案内板を見たりしなければならないがどちらとも手 間がかかるそこで屋外のナビゲーションアプリのように施設内のどこにいてもすぐに使える ナビゲーションアプリを開発する提案システムは対象となる施設が違ってもシステムに大きな 変更がないこと及び拡張現実感(AR: Augment Reality)を利用してユーザーフレンドリーなナビゲーションシステムの開発を目指す

研究会で発表

 

音声コミュニケーションを利用したユーザフレンドリーなスケジュールアプリの開発

音声認識を利用してスケジュール管理をするという試みです。

 

平成24年度

          修士論文

QR コードへの情報重畳に関する研究

QRコードへの情報ハイディングについて検討しました。

 

圧縮センシングを利用した画像表現とその秘密分散法への応用に関する研究

画像データに対する圧縮センシングと秘密分散を組み合わせてみました。

 

可逆的情報ハイディングを利用した JPEG 画像のプライバシー保護に関する研究

デジタルカメラの低価格化やカメラ付き携帯端 末が広く普及したことによりいつでもどこでも写 真を撮影できるようになった.さらにインターネットを利用して簡単に情報発信することも可能と なり,そのコンテンツとしてJPEG 画像がよく利用される.このような状況では,以下のような 2つのプライバシー問題が発生する可能性が考えら れる.例えば観光地などで有名な建物を撮影した 際に,意図せずに他の観光客が写真に写り込んで しまい,その人物が特定出来る問題や,撮影され た JPEG 画像には Exif という画像についての情報(撮影日時,GPS 情報,撮影者などの詳細な設 定情報やサムネイル画像など)が保存される場合 があり,この情報と写真上のコンテンツを対応付 けると,非常に重要な個人情報になりうるという問題がある.本研究では,可逆的情報ハイディングを用いて 上記の2つのプライバシー問題を解消することを 目的としている.可逆的情報ハイディングとは, ステゴ画像から完全にカバー画像が復元できるハイディング技術である.ここで,カバー画像とは 埋め込み用の画像であり,ステゴ画像とは情報が 埋め込まれた画像のことである.写り込んでしまった第三者のプライバシーを保護するために,該当する部分の画質を劣化させる.Exif を保護するために,JPEG 画像データから完 全にExif を削除する.さらに,可逆的情報ハイディングを用いて Exif や原画像を復元するための情報をカバー画像に埋め込むと,正当な権利を持 つ特定のユーザーのみがステゴ画像から,カバー 画像(Exif を含んだJPEG 画像)を完全に復元することができる.本研究では,Coltuc の手法[1]Zeng 等の手法[2]をベースにした2 種類のプラ イバシー保護手法を提案する.

研究内容の一部を研究会/国際会議等で発表

 

          卒業論文

テロップ領域抽出とOpenCV 関数を利用したテロップ消去の試み

テレビ映像の処理技術は年々めまぐるしい進歩を遂げている.地上デジタル放送が普 及し,自宅にいながらハイビジョン映像を楽しめるようになったことは記憶に新しい. テレビ映像の中にはテロップと呼ばれる文字が挿入されていることが多い.映画の字幕 や緊急地震速報などもテロップの一種である.テロップはその番組をより分かりやすく する反面,速報などは映像の美しさを損ねてしまう.そこで本研究では,このような映 像に挿入されているテロップを削除することを試みた.

 

スパースコーディングを利用した画像表現に関する考察

画像を基底画像の線形和で表現するというスパースコーディングにおいて,基底画像は重要な要素ではあるが,実際にその基底画像については詳しく議論されてこなかった.そこで本研究ではスパースコーディングにおける要素を様々に変更し結果がどのように変化するのかを比較する.実際にスパースコーディングを行う際に変更する要素は大きく分けて3つある.1つ目は基底画像を求める際に多数の局所領域を切り出す必要があるが,その局所領域の切り出し先を,スパースコーディングを行う画像1枚からとするか,複数枚の自然画像からとするかである.2つ目は求める基底画像の枚数を変更することである.3つ目はスパースコーディングを行う画像自体を変更することである.以上3つの要素を変更しながら実験を行う事にした.結果を比較する際の判断基準としては元の画像と復元画像の画素値がその場所において一致した割合(復元率)と,画素値が一致しなかった場合における画素値の差の平均で比較する事にした.